積雪期限定の焼岳南峰

焼岳の南峰に登ってみた

焼岳、みなさんよくご存知の北アの名峰、深田百名山の一つ
このお山、双耳峰で北峰と南峰がある

一般的に登られているのは北峰で標高は2444.3Mらしい(Wiki情報)
で、最高標高は南峰で2,455.4M、まぁどっちもそう変わらないのだが南の方が10Mほど高いし、三角点も南の方に設置されているらしい
(らしいというのは、現地で三角点を確認できなかったから)

ところがこの南峰、登山禁止なのだ
なぜか?

そもそも焼岳、活火山であって噴火警戒レベルこそ「1」の平常だが、常時観測火山である
従って、1962年の大爆発以降、全面登山禁止となっていて、北峰への立ち入りが許可されたのは1992年になってからという山である

ではなぜ、北峰だけが許可されて南峰はNGなのか
南の方が崩落のリスクが高く立ち入り禁止なのだという

これは普通の状態ならば登ってはいけないお山だ
ただ、積雪期においては逆に北峰へのルートが雪崩のリスクが高まるのに対し、南峰は夏道はないが雪の積もった尾根上を歩くことができるため
積雪期に限り登れる山となる(登れるというのは許可されてるという意味ではない)

ルートとしては新中の湯ルートを下堀沢出合あたりから左に見える尾根に取りつき、尾根上を南峰まで登りつめるというもの
距離的にも長くなく晴れていればルートもはっきり分かるため、日帰り出来る登山である

今年の残雪状況は雪が極めて少なく、1カ月ほど季節が進んでいるような状態
焼岳も雪が残っていないのでは?と危惧されたが、下堀沢出合から見た状態では残雪たっぷりである
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南峰からまっすぐ南に延びる尾根を下から登ってもよいのだが、なにせ登山道のない山、雪が切れていたりすると藪漕ぎがしんどいので
雪渓上を尾根に向かって登っていく
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傾斜はそれほどきつくはない、せいぜい20度程度だろう
それよりも気温が高く午前の早いうちなのに雪がグサグサに腐っている
南向きだから仕方ないが、帰りが踏み抜きで思いやられる
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南峰は上部に行くほど傾斜がきつくなるため、頂上直下で早めに雪のない尾根にあがった
尾根に上がってみて驚いたのは、思った以上に踏み跡が明瞭についていたことである
それはそうだろう、いくら登山禁止とはいえ北峰から目と鼻の先にあり、登って登れない山ではないのだから
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自分もその禁止の山に登っているので偉そうなことは言えないが、なんとなく複雑な思いを抱きながら山頂を目指す
山頂には苦も無く到着、随分古い山頂標柱がぽつんと立っている
標柱にはすでに山名板もなく木の棒が石に固められて突っ立っているだけ
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他に登山道のない山はいくらもあるが、山名板くらいは置いてあったりする
でもここ焼岳南峰はここが焼岳だと表すものは何一つない
登られてはいるのだろうが、あえて銘板を残していないところが登山禁止の山ゆえの後ろめたさがあるように思える
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ところで南峰にあるとされる二等三角点、これがいくら探してもない
GPSで正確な位置にいってもなにもないのである
よくある話だが、埋設が甘く標柱がむき出しになってしまったか、とにかく南峰には私が見る限り三角点の痕跡すら見いだせなかった
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少なくともここ50年は登山禁止のままの焼岳南峰
北峰の方が火山ガスのリスクは高いと思われ、なぜ故南峰だけが登山禁止なのか
南に登る尾根に登山道をつければ北峰よりもはるかに安全に登れるように思えるのだが...
おそらく焼岳小屋が北峰に近い中尾峠に存在することや上高地からの道が北峰にダイレクトに登れることなどがその理由かもしれない

とすれば最高標高でありながら放置されている南峰がなんとなく哀れにも思えてくる
もうすぐ雪が融けてだれも登らなくなるだろう焼岳南峰を後にし、中の湯へと降った

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この記事へのコメント

隊長O
2018年08月10日 08:57
初めまして
南峰登山禁止は書籍などで書かれてことが口コミで広がったに過ぎないです。
火山防災対策で積雪期だけ登れると言う事はあり得ません。
焼岳火山噴火対策協議会が噴火警戒レベル1で危険区域に指定しているのは北峰も入っています。ただ、焼岳火山噴火対策協議会には法的な権限がありませんので法律による禁止ではなく、危険注意区域ということです。
このように○○協議会が規制をしている山は冬の富士山、北海道駒ヶ岳、樽前山などで、禁止の文言を使っていても法的効力も罰則もありません。

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